ビタミンB12

化学名:コバラミン

ビタミンB12は、ピンクの結晶であることから「赤いビタミン」として有名で、
食物として摂取されたビタミンB12は、胃の細胞壁から分泌される糖タンパク質
と胃の中で結合し、小腸で吸収されます。

魚類、肉、卵、牛乳などの動物性食品に多く、植物性食品にはほとんど
含まれていません。ただし、微生物の働きによっても合成されるため、
納豆、味噌、醤油などの発酵食品には含まれています。

●生理作用
葉酸とともに核酸の合成/血球・タンパク質の生合成/三大栄養素の代謝
成長の促進/神経系の働きに関与

ビタミンB12が不足すると、赤血球の産生に異常をきたす「巨赤芽球性貧血」が起こります。
健常者であれば、通常よほどの菜食主義でない限り、欠乏症の心配はありません。

備考

「造血ビタミン」

血球成分は、骨髄で作られ、赤血球の寿命は約4ヶ月で、成熟とともに核が消失し、やがて脾臓で分解されます。赤血球は常に新しいものが作られていますが、核酸やタンパク質などの必要成分はすべて生合成しなくてはなりません。その際に必要な酵素反応の補酵素となっているのが、「ビタミンB12」と「葉酸」です。そのため、これらは別名「造血ビタミン」と呼ばれ、不足すると貧血を起こします。